(未読のかたは、その1・その2・その3をよんでからもどってきてください。)
スマホやタブレットでみる動画。
紙の絵本の読み聞かせ動画もある意味、絵本のデジタル化といえるでしょう。
YouTubeを「絵本+読み聞かせ」で検索すると、じつにたくさんの動画がでてきます。
なかには講談社のようにオフィシャルで公開している動画もありますが、個人があきらかに無許可でアップしているものもすくなくありません。
これはひじょうに問題です。
アップしているかたを問いただせば、おそらくは、
「営利目的じゃないからいいじゃん」
と、こたえるのではないでしょうか?
いえいえ、YouTubeは再生回数によって広告収入がはいるように設定できますから、たとえ利益がわずかでもそんないいのがれは通用しません。
そもそも、かりに非営利であったとしても著者・出版社に無許可で「全ページをだれもがみられる状態」にすることは違法です。
「絵本のデジタル化についてまじめにかんがえ......ない? 」
まず、本格的なデジタル化のまえに、これらの違法アップロードをなんとかするべきです。
以前、出版社をとおしてYouTubeの動画を削除してもらったことがありますが、現状ではほぼ野放しです。
なぜ、児童書出版社のうごきがわるいのか?
いまいち理解できませんが、きかいがあったら日本児童書出版協会のえらいひとにきいてみようとおもいます。
そして、許可の有無にかかわらず「絵本の動画」は平田昌広個人的に好感はもっていません。
とくに絵本を卓上において真上に固定したカメラでとらえた動画はいただけません。
これは文字どおり「動画」であって「読み聞かせ」ではありません。
たとえばオフィスまけ作品の『いぶくろちゃん』のように、

△いぶくろちゃんライブ@YouTube
読み聞かせを前提にしている絵本の「読み聞かせをしているところ」であれば、それほど気になりませんし(無許可でOKという意味ではない)、事実『いぶくろちゃん』の帯では動画を「アップしてね〜」とコメントすらしています。
読み手が面出しして、いわゆる「読み聞かせをしているところ」であれば、それはそれでいいとおもいます。
かりに、その動画を子どもがみたとしても「読み聞かせされている」と認識するとおもわれるからです。
いよいよ最終話にむけて結論にちかづきます。
その1のさいごにかいたとおり、平田昌広個人的には絵本のデジタル化は「あり」だとおもっています。
ただし「あり」といえるのは基本的にはただひとつのシチュエーションです。
それは、子どもが「ひとり」でスマホやタブレットをみているときです。
おとなといっしょにみているのではなく、おとなが「かまえない時間」に子どもがひとりですごす方法のひとつとしての「デジタルの絵本」です。
最終話。その5へつづく〜〜〜