平田昌広初の長編作品です!
先週末に見本がとどいて、そろそろ取次から全国の書店にむけて配本されるかなあ〜ってころです。
ちょうど3年まえのいまごろです。
アリス館のだいすきな編集Yさん(ふだん伏せ字にしてないけど、こんかいは伏せ字ね)と打ちあわせに煮つまって。
気があう編集さんなので、どうにかあたらしい企画を〜と、はなしていたのですが煮つまって煮つまって。
で、いまとなっては、どのぐらい本気だったかわかりませんが、編集Yさんがとうとつに、
「昌広さん、長いの書いてみません?」と。
もちろん、いきなりそういわれても、かんたんには書けません。
それで「どんなかんじの?」と、ききかえすと、
「おとなしい男の子と活発な男の子のおはなし」と。
このとき編集Yさんがいった「長いの」は長編ってほどではなく、32ページの絵本にしては「長いの」であって、それにそって、あんがいさくっと書きあげたテキストが、
『なんでだまってるの?』
というものでした。
はい。いまもMacBookProの奥ふかくにねむっているボツテキストです。
というわけで、編集Yさんにさくっとボツにされたものの、つづいて、すぐにひらめいてしまったのです。
それが『ふたりのカミサウルス』の原型です。
でも、この原型は、当初編集Yさんがいっていた絵本としては「長いの」ではなく、小学校中学年から高学年あたりを意識した、じぶんにとってはかなりの「長編」です。
はっきりいってしんどいです。
でもね、エンジンかかっちゃったんですねえ。
長いの書きたいってずっと思いながら手がつけられなかったところに、だいすきな編集Yさんにみせたい〜って、すばらしいきっかけができちゃったんですねえ。
オレ、がんばりました。
絵本デビュー前後の時間がいーっぱいあるときに、児童文学のようなふつうの小説のようなのを書いていたころ、それ以来です。
あのころは、某メジャーな小説の新人賞第一次選考通過がせーいっぱいでしたが、どのぐらい成長したでしょうか?
おもっていたよりはやく、3か月ぐらいで書きあげました。
編集Yさんにみせました。
そしていわれました。
「昌広さん、おもしろさがわからない」と。
これね、きついな〜っておもうかたいるかもしれませんが、オレの感覚では、編集さんの感想としては完ぺきです。
「すき」か「きらい」か。
「おもしろい」か「おもしろくない」か。
個人によって感覚がちがうのはあたりまえ。
でも、オレの感覚でにがてな編集さんは、「おもしろくない」とおもっても、「きらい」とおもっても、あーでもない。こーでもない。と、意見をするひとです。
そんな意見むだだよ?
そんなの、ただのいじわるな編集者だよ(しつこいようですがオレ個人の感想)。
だから、たったひとこと「おもしろさがわからない」という返事は完ぺきなのです。
ただし「おもしろい」と、おもってくれた編集さんと出版できる作品にもっていくためなら、あーでもない。こーでもないも、しんけんにきいて、ひたすらがんばります。
そんなわけで、アリス館の編集Yさんのことばにも、ふつうにうけとめて。
くわえていえば、じつは、すでに書いている途中から「これ、どうかんがえてもYさんごのみじゃないなあ」と、おもっていたのです。
それとどうじに、おもっていたのです。
「これは絶対にあかね書房のHさん(あえて伏せ字でおとどけします)だ!もしもHさんが気にいってくれなかったら、そこであきらめよう」と。
あかね書房の編集Hさんも、アリス館の編集Yさんとおなじくだいすきな編集さんですが、じつはしごとをしたことがありません。
でも、よくしっていたのです。
なぜって、むかしの(ほんの2年弱の昌広さんの編集者時代の)同僚だったからです。
ちなみに、編集Yさんもおなじくそのときの同僚だったりするので、世の中はとってもせまいわけですが、そのへんのはなしは横道すぎるし、編集Yさん、編集Hさんの個人情報にもなるのでここまでにして。
あかね書房の編集Hさんに原稿をみせたのが2014年の5月ごろでした。
おもったとおり編集Hさんは原稿を気にいってくれました。
そして、ここからがほんとうのスタートでした。
1年かけて、何度も何度も書きなおしました。
編集Hさんは、なかなか改稿の意図がつたわらないできのわるい子どもに、くりかえしくりかえしいいきかせて、おこりもしないでつきあってくれました。
うん。ストーリーの骨格こそかわっていませんが、もはや原型はとどめていないからねえ。
2015年の夏に原稿がOKとなり企画会議をとおしてもらってから、諸事情により1年延期となってしまいましたが、とうとう完成しました。
編集Hさんと編集Yさん、ふたりがいなければ、どちらかひとりでもかけていたら、絶対に出版できませんでした。
というか、このさきずっと長編を手がけることすら、なかったかもしれません。
ふたりにこころより感謝です。

『ふたりのカミサウルス』
なんかもう、「できるまで」を書いていたら、内容を書く気がなくなっちゃったので、とりあえず読んでやってください。
うちのホームページのさくひんあんないにも、いちおう載っけておきました。
初の長編なので、どーしてもうまく文章をつくれないまま、あらっぽいところもあります。
でもでも、どうか読んでください。
図書館で借りてもらってもかまいませんので〜笑
ふたたび長編を手がけるときがくるか?
それはみなさんの感想しだいだったりするので、ぜひぜひ、よろしくおねがいします。
まだまだ、がんばるぞーー!
おーーっ!