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2016年07月30日

5号棟のトビ ─ 死肉食いの矜持 ─ 【再録】

本日は横須賀市立児童図書館で絵本ライブ。おとといの平塚レポートとともにレポートは後日あらため。

ブログは真夏の掌編小説?の再録です……


『5号棟のトビ ─ 死肉食いの矜持 ─』


おれの名は飛岡トビ太。またの名は「5号棟のトビ」だ。

おれは神奈川県営上宮田団地5号棟のてっぺん。5の字の上の角っこにとまって、道行く人を見下ろすのが日課だ。

mk_160730_tobi_5goto.jpg

すぐそばの海岸では、若トビがいきがって、人の食い物をかっさらっているが、おれはそんな下品なことはしない。そんなものを食うぐらいなら、飢え死にしたほうがましだ。

そうはいっても、おれたちトビは死肉食い。タカの仲間たちは生粋のハンターだが、おなじタカ一族でありながら、おれたちは先祖代々ハンティングが苦手でね。白い目で見られる死肉食いってわけだ。

いや、いじけていってるわけじゃないぜ。同情を乞うつもりもない。

すべての生きものには役目ってものがあるからな。死肉を食うのがおれたちの役目。それだけことだ。

おっと、地球上に唯一1種じぶんの役目をわかっていない生き物がいたな。

そいつはだれかって?

まあ、ここで語るのはやめておこう……

そんなおれでも、体をながれるタカの血が、うずうずさわぐことがある。

そうハンターの血がね。

じりじり暑い夏。小便たらしながら飛びたったセミが、このおれの獲物だ。

おれは5号棟のてっぺんから飛びたって、アブラゼミを追いまわす。死肉食いのおれだから、一発では仕留められないが、かならず仕留めてみせる。

もちろん、セミを食ったぐらいじゃ腹は満たされないが、こころは少し満たされる。

おれのなかにながれるハンターの血をほこりに思う。

なに? セミの命をもてあそぶなって?

ははは。地球上で唯一じぶんの役目をわかってない人間どもにいわれたくないね。

おれのなかにながれるハンターの血以上に、おれは死肉食いであることにほこりをもっているんだぜ。

きょうもおれは5号棟のてっぺんで、愚鈍な人間どもを見下ろしながら、死肉がでるのを待っている。

セミの声を聞きながらね......


posted by オフィスまけ at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | (ま)のひとりごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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